India Fringe (h3) 猿の勇者ハヌマーン
遺跡の話も戻る前に、この旅行で、何度もおみかけする猿の勇者ハヌマーンについてもやっぱり気になった。
結局、調べてみた。
今までのインド旅行で、本物のサルを見かけても、あまりハヌマーン信仰が根強い場所には行ってなかった。
ハンピはたくさんあるハヌマーンの出生地のひとつのようで、多くの像を目にした。
ただ、今も本当に信仰されている像は赤い顔料と油で真っ赤、何の像かの判別が難しい。
ホスペット近くの幹線道脇に大きなハヌマーン像があったようだが見逃してしまったのはちょっと残念だった。
4点)旅行で出会ったサルたち。上がハヌマーンのモデルの猿、ハヌマンラングール (Hanuman langur)とペットボトルを両手で持つバーダミ石窟寺院のサル。
ハヌマーンはヒンドゥー教の神話『ラーマーヤナ (Ramayana)』の中での活躍する猿として有名だ。
ラーマヤナをすごく簡単に説明すると、ビシュヌ神の化身であるラーマ(Rama)王の大冒険物語。
その中でハヌマーンが活躍するのは「魔神ラーヴァナ(Ravana)に捕えられ、ランカー島に幽閉されたラーマの妻のシータ(Sita)を助けるために様子を探る使者としてのハヌマーンを送った。」という部分と、「ラーヴァナとの戦いの中、その息子インドラジェット(Indrajit)の投げた矢に当たり瀕死の状態になったラーマの異母弟であるラクシュマナ(Lakshmana)を救うために、カイラーサ山(Kailash、カイラス)へ薬草探しに出かけた。薬草を見分けられないハヌマーンはその山全部を担いで宙を飛び持ち帰った。そこから薬が採れラクシュマナが助かった。」という場面だ。
この物語は多くの書籍でも取り上げているので、説明はこのくらいで。
私が興味を覚えたのは前のページでも取り上げたお土産の絵本の中にあった『Hanuman Gets His Name』という「なぜハヌマーンが名前をつけられたのかの物語」の部分だ。
天女がアンジャナ(Anjana)というメス猿の姿で地上に生まれた。大人になってケーシャーリー(Kesari、たぶんヴァナラ(Vanara)族の王となる)という勇敢な猿と結婚し、子供を授かる。
その子はバリ(Bali)と名付けられ、風神ヴァーユ(Vayu)の子として育てられる。
ある日、おなかをすかせたバリが太陽をおいしい果物と間違えて、突進。
自分の地位を脅かされると思った天空の神インドラ(Indra)の怒りをかって、雷電攻撃をあごに受け、墜落死した。
ヴァーユはそれを見ていて悲しみ、怒って風を吹くのを拒絶し洞穴に隠れた。地上は風が吹かず空気もよどみ荒廃した。
それをみかねたブラフマンがインドラに謝らせてバリに命を吹き込み生き返らせた。
そして、ヴァーユはまた風を吹かせたので、地上は正常にもどった。
生き返ったバリはブラフマンからハヌマーン(傷ついたあごを持ったもの)という名前と色々な神々の加護と力を授かり、勇敢な猿となった。
というのが絵本での簡単なお話。
ここでのハヌマーンの姿はとってもカワイイが変な部分が気になった。
風や空は神様だが、太陽が神格化されていないのだ。そして、ハヌマーンの養父、風神ヴァーユ(Vayu)の存在。
群馬県は「からっ風」が有名で地元銀行のおかげか、子供のころ『風神雷神』図を目にする機会が多かった。
ヒンドゥー教の自然信仰の神々と、日本の神話に出てくる自然の神々の類似が気になりだしたので、旅行の話が終わったら調べます。
そしてもう一つ
これもまたテレビ。ガネーシャの話はみんなで盛り上がったが、こんなハヌマーンの子供時代のバリの番組も見つけていた。
左、右)Jai Jai Jai Bajrangbaliの一コマ。サルの王様の顔が漫才の○○さんっぽい『閉店ガラガラ~』
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※上の「Jai Jai Jai Bajrangbali」の画像は番組をカメラで撮影したもののショットです。
※イラストは「Fabulous Stories From Indian Mythology」から。