Indonesia Temple (1) ボロブドゥール寺院 Borobudur Temple Compounds
ジョグジャカルタの西北42km、小高い丘の上に建つ巨大な仏教遺跡。
8世紀後半、この地方を支配したシャイレーンドラ朝によって建てられたといわれている。
全高約32m、基壇の一辺が約128m。基壇は5層の方形で、この上に3層の円形壇、その上に釣鐘形の72のストゥーパ(塔)が配置されている。
ストゥーパの中には釈迦如来座像が安置されている。
各層の壁面にはさまざまな釈迦にまつわる仏教説話は彫られ、その場面数は5,000カットにもなるらしい。
ムラピ山(Gunung Merapi)の大噴火によって火山灰とジャングルに埋もれ、1814年にイギリス人によって発見されるまで、地元の人々には忘れ去られていた。
だがそれが他の宗教からの破壊を免れたのだとも思う。
レリーフの洗練された浮彫彫刻の技法など、インドのグプタ美術の影響を受ける。
1819年にジャングル埋もれていたのをイギリス人に発見された、「インドのアジャンタ石窟寺院群」の経緯とも良く似ていると感じた。
インドネシアには仏教徒が今はほとんどいない。ほとんどがイスラム教徒の国だ。
イスラム教過激派による破壊活動や、2006年のジャワ島中部地震による倒壊。
また現在、2010年のムラピ山の火山活動により、このボロブドゥール寺院も降灰などの被害が出ている。
私がここを訪れてからかなりの年月が経っているので、この時とは寺院はかなり変化しているかもしれない。
私の行った当時はユネスコによる修復作業中で、両側から大きなクレーンが下がっていた。
1991年世界遺産に登録されている。
左)中央部、一番上のストゥーパ。ここは仏像が安置されていない。右)周辺を飾る仏像。
左、右)ストゥーパ群。中に如来仏が置かれている。四角に穴から手を入れると触れそうでとどかない。中)壁龕の中にも仏像が置かれている。
右)釈迦の一生のストーリーが彫られているレリーフ。
左)吐水口を飾る想像上の動物。右)方形回廊の周辺を装飾する壁画
左)遺跡の上から周辺を眺める。右)回廊を飾る小さなストゥーパ。
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