India Ladakh Gompa (5) アルチ ゴンパ Alchi Gompa
レーから西へ約67kmの場所にあるアルチゴンパ。
10世紀末にリンチェン・サンポ(Rinchen Zangpo)により建てられた。カシミールから32人の木彫刻家を連れて来て仏像を彫ったそうだ。
現在は僧院としては使っていないとのこと。しかし、内部に残された創建当時の壁画、仏像はラダック随一の物らしい。
私たちが宿泊した宿から比較的近い場所にあった。朝の散歩ツァツァプリゴンパから丘を下って向かった感じだ。
集落の入り組んだ路地を進むとお土産屋さんが周囲を囲むような大きな木があった。
その木はリンチェン・サンポの杖の樹とのこと。そういえば、レー以外でのお土産屋さんはここがはじめてだ。
なお進むとアルチ僧院(Alchi Choskhor Compa)へ。他のゴンパと違って平地に建てられている。
アプリコットの花の向こう側にメインのスムツェク(Sumtsek、三層堂)が見えた。
ここの入口を飾る装飾された柱は木製だ。他のインド建築で木造はほとんど見たことがない。
(確か、仏教建築ではないが、南インドのケララ州の王宮が木造建築だった)
柱はギリシャ風の彫刻が、そして架構にはカシミール風の木彫装飾が施されている。
アルチのゴンパ内部は写真撮影NGなので、ドゥカン(Dukhang)で手馴れたオジサン僧の販売する写真パンフを買った。
左、右)リンチェン・サンポの杖の樹とそのネームプレート。
左、右)スムツェク(Sumtsek、三層堂)の正面架構とギリシャ建築風柱。
写真がないので、ここのゴンパの構成を簡単に。
●スムツェク(Sumtsek、三層堂)
三層構造の建物になっている。第一層に約5mくらいの立像、白いAvalokitesvara(アヴァローキテーシュヴァラ、チェンレジ、観音菩薩)と黄色Manjushri(マンジュシュリー、文殊菩薩)、オレンジのMaitreya(マイトレーヤ、チャンバ、弥勒菩薩)の三体が置かれている。その各像の脚部、その周辺に繊細な彩画が施されている。
●ドゥカン(Dukhang、大日堂)
この中で最も古い建物。中央奥に大日如来像は置かれる。建物内部には千仏画、曼荼羅などが壁面全体に施されていてみごとだ。
●ロツァヴァ ラカン(Lotsava Lhakhang、翻訳官堂)
ロツァヴァとはリンチェン・サンポのことで彼の記念堂。「鳥のような顔とした僧」として祀られている。確かに細面のとがった顔立ちの仏像が置かれているが、説明書きなどは手書きでちぎられた紙に書かれている。ちょっと興ざめ。
●ジャムヤン ラカン(Jamyang Lhakhang、文殊堂、マンジュシュリ・ラカン)
3mくらいの金、白、赤、青、と文殊菩薩(Manjushri)4体の坐像が背を向けて置かれている。かなり派手な彩色。