「Nung ヌン族」
土塀の壁面の土間住居。
2階の手すりの木の組み方がおもしろい。家の敷地はかなり広く、大きな水牛を飼っていた。
民族衣装を毎日着ているので、あまりキレイな状態ではないし、裸足だが、悲壮感は感じられない。
左)頭巾を巻いて見せてくれた。「何秒か」というほどの早業!
右)2階の手すり
左)クエッテン土曜市に買出しに来ていた女性。大きな荷物を背負っている。ツノをピンと大きく立てていると「働き者」って感じがする
右)手縫いの靴を売っているおばあちゃん。ツノは小さい。
ベトナムで発行されている切手
○ヌン族の民族衣装
藍染のシンプルな上衣と下衣を着ている。
紺の布をターバン状に巻いて、両方の先を立ててツノのように出している。
襟元の明るい青い部分が特徴的。
自称はノン。ヌンの発音は他称。北東部国境地域に近いランソン、カオバン、バックカンはどの省の山間部盆地に居住する。人口は約 70万6,000人(1989年)。言語はタイーカダイ語族に属し、ヴェトナム最大の少数民族タイーの言語とほとんど同じである。漢字とともに、漢字を利用した文字(ヌンノム)を歴史的に使用していた。
ヌンの居住地はヴェトナム共産党の革命根拠地であった地域である。祖先崇拝が主流であるが、儒教、仏教、道教の儀礼の影響を受けており、孔子や観音菩薩を祀る場合もある。また民族の英雄で、11世紀に宋に反抗して一時独立国を建てた農智高を農業神として祀る地域や、彼の母アー・ヌンを家畜の神として祀る地域もある。儀礼や風俗・習慣はタイー族と共通のものが多いが、祖先の法事は行わず、誕生日を祝うところがタイーと異なる。
(参照:世界民族事典 伊藤正子 一部抜粋)